2012年1月29日
「この課題を完登できないと、次に進めない気がするんです」
忍者返しを登った直後にモンキーカンテ4級で着地に失敗し、
くるぶしを剥離骨折したあるボルダラーは、
遠い目をしてこうつぶやいた。
彼の外岩復帰はまだ少し先のことだが、
まずはモンキーカンテをやっつけるのだという。
漢(おとこ)である。僕にとっても同じような意味合いを持つ課題があるとするなら
これになる、水の詩 3級。
忍者返しの岩のすぐ脇にある水の詩岩の看板課題だ。
1年ほど前、御岳の3級課題を破竹の勢いで撃破していた僕が、
完膚無きまでの敗北を喫したのがこの水の詩だった。
高い、下地が悪い、背後に岩と3拍子そろった恐怖課題。
トライする人が少ないために上部が苔むしているのも、
3級というグレーディングに疑問を抱かせる理由となっている。
ひと言で表現するなら、ハイリスク、ローリターン。
まさにこの課題のトライによって足を骨折し、
半年以上を棒に振ったボルダラーも知っている。
ところが何を血迷ったのか、僕はトライしてしまった。
ピントが手前の岩に合っているのが残念だが、
以下がその模様である。
去年はマントルムーブに突入することなく自ら落ちたが、
この日は3トライ目で足をエイっ!と上げてしまった。
今回もちゃんなべ夫妻にスポットしてもらったけど、
動画を見ると彼らの緊張感も伝わってくる。
おいそれと「ガンバ」とも言いづらいのだ。
そして人は絶対に落ちられない状況になったとき、
なかなか落ちないと分かった。
結構、満足した。オマケ動画
《この日の主なトライ/御岳ボルダー》
【砂箱岩】砂箱トラヴァースSD 2級○ ※この日は一撃した
【鵜の瀬岩】2級(♯9)× ※4本ある2級のうち左から2番目。これだけできない。
【トラヴァースボルダー】トラヴァース 1〜3級 ※半分は超えた
【水の詩岩】水の詩 3級○ ※御岳最恐の3級
PR