2012年7月30日
全国的に真夏日が予想された7月29日、
僕は関西におけるボルダリングの聖地といわれる
花崗岩の岩場、北山公園にいた。
きっかけは大阪出張。
7月30日にとあるイベントの仕事が入ったのだが、
早朝から動くために前日の18時に
梅田のホテルに前乗りするという予定だった。
うろ覚えであったが、かの有名な北山公園は
梅田から電車でほど近いのではなかったか・・・?
調べてみると、やはりその通り。
急きょ新幹線の時間を朝方に設定し、
昼前には新大阪に到着。
一路、梅田から阪急電車に乗って
最寄駅である甲陽園から北山公園を目指したのであった。
あくまで仕事で行くのであって、
当初からクラッシュパッドを持っていくという選択肢はなかった。
真夏にはめっきりボルダラーの姿が減る
という情報もネット上には見られたが、
とにかく僕は外岩に飢えていた。
この日は土曜日ということもあり、
ま、少しくらい物好きもいるでしょ。
と思ってひとり初の岩場へと勇んで出かけたのだが、
本当にひとりもいなかった。
一枚もマットなかった。ま、想定外とは言わないまでも、
もともとマットなしで登ろうと思っていたので
それはそれでよかったのだ。
ただしそれ以上に想定外だったのが
不快なまでの湿気と猛烈な暑さだった。
北山公園は公園といってもほとんど山である。
北山ボルダーの玄関口であり、関西の1級基準といわれる
「ショーギノーマル1級」を擁するショーギ岩までは、
入口からせいぜい15分程度のアプローチではあるが、
そこにたどり着くまでに滝汗をかくような真夏日であった。
「いつも混雑」で有名なショーギ岩の前に
ひとりのボルダラーもいない時点で嫌な予感はしたのだが、
熱を持った岩肌に触れた時点でその疑惑は確信となった。
これぞ、ヌメヌメのドロドロ!
今までに味わったことのない
絶望的なコンディションの悪さを目の当たりにし、
しかもマットなしということを考えて
「3級が登れたらいいかな」と思ったのだが、
それすらも甘かった。
5級は3級に感じるし、
日差しが強く当たる4級はスタートすらできないことも。
とにかくホールドが持てず、
チョークをつけるほどにぬめっていくかのようだった。
特にスラブの課題は難度が上り、
結晶に乗り込むことが異常に困難。
最終的にチョークは意味がないと見切りをつけ、
登る前には毎度タオルで手を拭いていた。
花崗岩がヌメるとお手上げ!
有名な課題のある岩を見て回ったが、
手を付けないことがほとんど。
ケガもしたくないし、登れるわけないとわかっていた。
ただし課題の質がいいのは見るからに感じたし、
いい季節にまた必ず訪れたいと強く思った。
中でも非常に強く印象に残ったのが、
チョーク跡がかなりきれいにブラッシングされていたことだ。
北山公園は過去に登攀自粛を余儀なくされたことがあり、
おそらくその経験が生かされているのだろう。
こういうのは本当に見習いたいと思う。
あまり登れなかったが、
最後にいくつか完登動画を。
《主なトライ/北山公園ボルダー》
【バーカーヘッド】スラブ 6級○
※ぬめりのせいで4級に感じた
【バーカーヘッド】ヒールフック 5級○
※ぬめりのせいで4級に感じた
【初級スラブ】7級○
※ぬめりのせいで3級に感じた
【ショーギ岩】ショーギ入門 4級○
※ぬめりのせいで2級に感じた。本来下地はいいのだが、
地面に土管が這っており、マットがないと着地しづらい。
完登直前のトライで落下した時に土管を踏みつけ、軽く足捻挫した・・・
その他、木下フェースの課題など触ったが、
まったくホールドが持てず即断念したことをお伝えしておく。
季節のよいときにまた訪れたいものだ。