2015年8月16日
これまで四十数年生きてきてようやく気づいたのだが、
僕はどうやら暑さに弱いみたいだ。
暑いと頭がボーッとしてしまい、
大好きな岩場にいてもやる気がなくなってしまう。
しかも「暑い」の基準が少々ゆるいらしく、
周りが涼しいと言っているときでも僕だけは暑いのである。
しかし、この日の瑞牆ハットエリアは
前回のうだるような暑さとは打って変わって、
秋の気配すら感じられるほど過ごしやすかった。
久々に一緒に岩場に出かけるパチとあいちんをはじめ、
エースのギエとプロテインを始めた魔裟斗という5人衆。
まずはなかなか岩場に行けないパチたっての願いで、
「穴課長」というV4課題のある岩へ。
なるほど、あのクジラ岩の穴社員を思わせる高度感のあるポッケ課題で、
ハットエリアにしては下地もよく、これは楽しめそう。
せっかくなのでパチにOSトライの権利を譲ると、
登れはしなかったが、なかなかの好感触。
「全員、課長昇進しちゃう!?」という感じで、
アップも無しでセッションに突入していくのであった。
僕はこの手のホジホジ課題は得意なので一撃を狙うも、
2手目のポッケに意外とクセがあり、一瞬で夢破れた。
それでも何とか3便で終わらせ、得意系を証明。
しかし他のメンツは高さのあるマントルや2手目に苦しみ、
ほぼ午前中をこの課題で過ごすことになった。
結果、唯一ギエが傾斜の高い方に脚を上げる
“斜めマントル”でトップアウトし、
またも我々を戦慄させたのであった。
午後からは、前回宿題にしてしまった穴くまじろうへ。
僕は3便しか出していないので、ほぼフルパワーの状態を維持していた。
前回決めた足位置も何となく覚えており、一便目からリップタッチ。
ランジ前にできるだけ指を奥に突っ込むという改良を経て、
この日の4便目で専門外の課題を足下にした。
既に登っているギエ以外の3人は、
距離に泣かされ無残に散った。
その後は近くのエンジェルマントルという
変態的なムーブを強いられる課題や
高さのあるギリギリスラブの岩で遊び、
気がつけばもうすっかり夕方に。
しかしここに及んでも出世を諦めきれない男がひとりいた。
そう、パチである。
何だか優しい気持ちになった僕たちは
みんなで昇格試験を見守ろうということになり、
再度、穴課長の岩と対峙することになったパチ。
するとこれまでにない勢いでリップに到達し、
危険と承知していたはずの“斜めマントル”を繰り出すではないか。
あわててスポットに入るがもはや地上は騒然。
死にものぐるいのパチはなんと木の幹に首を引っかけ、
土を食らいながら空前のトップアウト!
まさに出世命の企業戦士さながらの執念を見せたが、
当然のごとく審議のランプがともり、
はたして今回の昇格は見送りとなったのであった。
おまけ動画
《主なトライ/瑞牆山ボルダー》
【穴課長】V4 〇
※悪いといわれるマントルはすんなり。
【穴くまじろう】V5 〇
※一手目、二手目をいかに楽にこなすか。
【エンジェルマントル】V6 ×
※パワフル。最後手首を返せれば・・・・
【ギリギリスラブ】山のアナアナ V3 〇
※最後のマントルまで気が抜けないスラブの好課題。
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