2012年4月28日
ゴールデン・ウィークである。
昨年10月以来の小川山である。
しかもテントで一泊、最高なのだ!
ボルダラー9名とその家族3名の総勢12名で訪れた
廻り目平キャンプ場は、早朝からとにかく晴れ上がっていた。
その後の天気もまったく心配のいらない予報が出ており、
あとはそれぞれがどんな成果を残すかということのみ。
僕は相変わらず右手の中指に不安を残していたが、
課題によってはひどく傷むという感じであり、
やってみなければわからないというのが正直な思いだった。
テントの設営から仮眠と準備万端整えたところで、
朝10時頃、まずは林の中のボルダーにあるホワイト・ブロック岩へ。
アップに選んだホワイト・クラック7級をぎりぎりでOSし、
あらためて花崗岩ボルダーの一筋縄ではいかない雰囲気を感じ取った僕だったが、
臆せず目をつけていたホワイト・ノイズ4級にトライ。
一撃で落とした。
この日の僕は、妙に集中力が高まっていた。
まずはちゃんなべ&ちゃんさち夫妻がトライしていた
シャーク1級を華麗にスルー。
続いて、シャークに敗退したちゃんなべとそのライバル、ちゃんもりが
撃ちこみはじめたドンキー岩の有名なお買い得課題、
芋ほり1級までも見て見ぬふりを決め込んだのだ。
僕の集中力とは、無駄撃ちをしないという意味だ。
決して逃げたわけではない。そしてこの後、貪欲に結果を求める僕の方針が功を奏す。
右手中指の激痛に耐え、昨秋からの宿題であるライト・スパイヤーを2撃。
調子が上がってきた僕は、さらにクラシック3課題最後の砦である
エイハブ船長1級にトライすることにした。
これまでは何度やっても左カチをしっかりと持てず、
力の足りなさを感じてきた僕だったが、
この日はこれまでの自分の積み重ねに期待するところが大いにあった。
最初のトライで左の薄カチをしっかり保持することができ、
第一の核心といわれる中間部のバンド取りにすんなりと移行。
残念ながらリップは止まらなかったが、
「今日、登れるかも」という確信めいた予感を覚えた。
ところがこの直後、急激に岩肌がぬめりはじめ、
左カチがまったく持てなくなった。
はっきり言って、暑すぎた。最初から5トライのみと決め込んでいた僕は、
このあと不毛なトライを続けて結局、敗退。
つくづくボルダリングの出来は自然に左右されると思い知らされた。
それでも夕方には、
そこそこ不快な暑さは静まってくる。
今回の小川山ツアーでは、
1級以上の課題を1本登ることが僕の目標だった。
ほぼ限界グレードである1級を登るには、やはり初日に攻勢をかけたいところだ。
そこで次のターゲットに選んだのが、
分岐岩にある人気課題、MNP1級だ。
たしか昨年の6月あたりに一度敗退している課題だったが、
その時は雨で中断を余儀なくされたという経緯もあり、
またそれなりの手ごたえも感じていたため、
満を持してのリベンジという思いもあった。
正直、この課題に関してはYouTubeで研究した。
それなりに身長のある僕はカンテに左足でトゥフックをかけたまま、
体を横向きに伸ばして左手のクロスで核心のガバカチを取りにいくのが、
正解だろうと予想していた。
ところが実際にやってみると、
トゥフックを利かせられる右足の位置がなかなかわからない。
そんなとき一人の完登者が現れ、どうやら僕の足位置は間違っている。
すぐさまお試しでトライしてみると、
あれなんだか
手数が伸びていくよ。そのまま完登!ということで動画はないのだが、
初日にいきなり目標を達成し、テンションうなぎちゃん!
続いて腰に爆弾を抱えるちゃんなべまで完登したため、
一人悦に入るという目論見は一瞬で泡と消えたが、
それでも最高の気分で初日のトライを終えることができた。
ちなみにこの日、他のメンツの主な完登としては、
ちゃんもりが芋掘り1級をゲット。
しかし一番のハイライトとしては、
パチが因縁の穴社員を軽々と完登した場面だったかもしれない。
その夜は、やたらと酒が旨かった。オマケ動画
マントル大好きです。
《この日の主なトライ/小川山ボルダー》
【ホワイト・ブロック】ホワイト・クラック 7級◎ OS
※バランスを取るのが難しく、力任せに登ってしまった。
【ホワイト・ブロック】ホワイト・ノイズ 4級◎ OS
※ジム的な動き。
【スパイヤー】ライト・スパイヤー 3級○
※指先もつま先も痛い。最後の一手に力を込める。
【クジラ岩】エイハブ船長 1級×
※リップをつかみそこなった。早くマントルやりたい。
【クジラ岩】ダイレクト・フィン 3級○
※再登。
【分岐岩】MNP 1級○
※動画撮りたかった・・・
【分岐岩】分岐中央 3級×
※上部にホールドが見当たらない。足はいっぱいあるのだが。
【分岐岩】トラバース 6級◎ OS