2014年4月29日
ボルダリングも長くやっていると、
完登パターンというものが見えてくる。
僕の場合、日数をかけて打ち込んできた課題に関して言えば、
その日のファーストトライで完登、などということはまずあり得ない。
体が起きるまでに時間がかかるタイプということもあって、
たいていの場合はちょっと疲れを感じる頃になって
ようやく完登というパターンが非常に多い。
しかしこの日はいつもと様子が違っていたんだ。
パヤシ、ヒグチン、盛りと
17日ぶりの御岳に行ってきた。
僕はマルガリに取り組むつもりでいたんだけど、
正直、完登できるとは思ってはいなくて、
週末の小川山キャンプに向けての調整程度の気分だった。
だからアップも兼ねてトライした
鵜の瀬岩の立ち鵜で左手の指皮を持っていかれても、
「まあ、仕方ないな」という感じ。
マルガリトライを始める頃には、既にヒリヒリしていて、
そんなに数は撃てないと予想できた。
ところが2度目のトライで右足がひょいと上がり、
いきなりもう少しでマントル体勢に入れるところまで進展。
こうして俄然、完登への欲が沸いてきたのだった。
ここで隣の砂箱岩で猫砂をRPした盛りが
意気揚々とマルガリに参戦。
トライごとに念入りにブラシでホールドを磨きつつ、
互いにムーブを洗練させていった。
はっきり言って、その時点では
僕の方が完登に近いように思えていたのは確かだ。
ところが虎視眈々と工夫を重ねていた盛りは、
突然、この日初めて右の足上げに成功したかと思うと、
そのままベッタリと岩に張り付き、
脇腹をつりながらも根性で完登してしまった。
やられた(´Д` )念願の完登を横からかっさらわれた僕は、
思えばここで本当にスイッチが入ったのだった。
その直後のトライで初めてマントル体勢に入ったが、
右のヒールがずり落ちて、惜しくも完登ならず。
その後はこのパターンが繰り返されることになる。
実はこの日は昼過ぎから雨の予報となっており、
できれば早めに撤収しようということになっていた。
そのうち、猫砂を撃っていたパヤシ、ヒグチンがマルガリの岩に現れ、
「そろそろ帰ろうよ」的なムードを持ち込んできやがった。
焦りが生じて、まともなトライができなくなった僕は、
ここで仲間の3人に移動を促し、30分だけもらって
ひとりで泣きのトライを開始。
気づけば右の人差し指と中指は爪が浮いて出血し、
それでも悔しいので痛みと闘いながら挑戦を重ねていた。
そして30分後、僕を呼びに来た盛りの前で
持ち前の往生際の悪さを発揮して本気のラストトライ。
しかしもはや一手目も取れず、しおしおのぱーになった僕は、
ここで敗退を宣言し、マットをたたもうとしたのだが・・・・
「もう一度やったら?」と盛りが言うので、
少し休んでやったらすんなり登れた。
これは何だ?その時はかなり無欲な心境で、
非常にスムーズにトライに移行できたような気がする。
とはいえ他人に促されての完登とはなんだか情けない話だし、
新たな完登パターンの出現に少々戸惑っている。
つくづくクライミングはメンタルが重要だな。
まあ、登れりゃどうでもいいか!(おまけ動画)
《主なトライ/御岳ボルダー》
【鵜の瀬岩】立ち鵜 1級〇
※再登。SDには希望が持てない。
【マルガリ】初段〇
※ようやくRP。左手をしっかり返さず、奥のホールドを狙って楽に登ろうとしたことで手こずった。本当に頭が悪い。
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